DXとSaaSの死で混乱するSI業界就職事情

毎年、デジタルとAIでお世話になっている東洋大学へ、今回はIT産業の動向、特に古巣のSI業界に関する授業で訪問させていただきました。
業界の事情は、それなりに知っているつもりですので、学生の方視点で距離のある部分に注意しながら、説明してきたのですが、改めて業界の変化に苦戦しております。
というのは、SaaSの死に代表されるSI事業者の苦戦と、今も続くDXの流れが正面衝突しており、学生の方向けへの説明がうまく行かなかったのでは?と要反省な次第です。

【今も続くDX視点だと、SI業界は上向きが続くはず】
すでに10年近く時間が経過し、先進国でDXを声高に主張しているのは日本だけになりましたが、それでも、日本のDXは満足できる水準ではありません。今も多くのレガシーが残っており、SI事業者の多くは、そのお世話でご飯をいただいています。もちろん、ベンチャー向けの新規コーディングでしたら、生成AIで劇的に生産性アップとなるのですが、レガシーのシステムは依然として扱いずらく、何をやるにも時間がかかります。Fit to standardで良いじゃないかという声も多数派になってきましたが、一方、ATMは絶対にとまるなという声も、それなりに影響力が残っています。
理屈からいうと、労働力不足が激しいデジタル分野、SI市場は基本的には仕事がある、前向きに行けるという見解になります。

【生成AI、SaaSの死とSI事業者】
ところが、生成AIの劇的な発展が、この流れを不透明にしています。年初からのSaaSの死は、生成AIがブルーカラー、ホワイトカラーではなく、コーディングとSaaSなど、DX時点のデジタル化を先に飲み込んでいくのでは?という見方が強まったからです。
我等がSI業界も、生成AIで生産性上げて、労働力不足を跳ね返すぞ、と意気揚々だったのですが、まず資本市場側から、顧客が内製化するなら、おまえら要らないのでは?といった嫌がらせを受けています。
加えて、最近、顧客側が「生成AIでおまえらの生産性が40%あがるなら、これまで100人でやっていた仕事が70人でできる筈なので、支払いは30%カットしていいよね!」と言い出しております。
生成AIで努力しているのは、SI事業者側なので、その果実はSI側が味わうべきなのですが、顧客側が、生成AIの果実を還元しろ、という訳です。
やや単純化した見方ですが、生成AIはSI事業者が開発した訳じゃないんだから、すべてのメリットをSI事業者がとるのはおかしいよね、という、やや強引な言い方に抗いきれない面もあります。

ということで、学生向けにSI業界の課題を説明したのですが、残存するDXとDXを食い散らすAIとの力関係がうまく説明しきれません。とりあえず、業界の構図と見ておくべき兆候等は、なんとか伝えられたかなと思う次第です。

Follow me!