人手不足、高齢化がAIを必要とする(3) まずは移民か?
[chat face=”azatooth.jpg” name=”アザト君” align=”right” border=”gray” bg=”none” style=”maru”]人が足りないのは分かったけど、AIが先なの?移民が先なの?[/chat]
[chat face=”frogface.jpg” name=”カワダさん” align=”left” border=”blue” bg=”green” style=”maru”]これまでの世界では圧倒的に移民だった。人が足りないなら、移民を連れてくる、というのは世界の常識と言っても差し支えない。この点では確かに日本は世界の異端児だった[/chat]
[chat face=”frogface.jpg” name=”カワダさん” align=”left” border=”blue” bg=”green” style=”maru”]
いろいろな見方、意見はあるが、人間の出産というテーマは、環境や規制を見直して、気分を切り換えれば、明日、もしくは来年から改善するという訳には行かない。この問題は、世代単位(30年)で、改善をはかるものであり、減ったのだから、増やせばよいと、思ったとしても、その実現は容易ではない。
また、仮に出産数が増えたとしても、現在の人手不足を解決するのは、20年先となり、この人手不足問題は、その期間続く訳である。このような状況に対して、
対処方法は、以下の3つに集約される。
- 移民、外国人労働力の受けいれ
- 高齢者、女性の労働参加率の引き上げ
- IT、デジタル技術による社会の生産性の向上
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- 移民、外国人労働力の受けいれ
日本社会が苦手としていた受けいれる形での国際化である。人口減少は、日本が過去、例を見ない状況にあるとはいえ、景気過熱による人手不足は、多くの国が過去、経験している。この場合の第一の対策は移民の受けいれであった。
日本は文化的、地理的な特徴から、移民受けいれについては、強い抵抗感を過去から示しており、これを短期間で急激に、アメリカ、ドイツ、フランスのような社会へと変化させることは、さすがに非現実的と思われる。
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[chat face=”azatooth.jpg” name=”アザト君” align=”right” border=”gray” bg=”none” style=”maru”]日本は、移民受けいれに本気を出していなかっただけで、日本社会が本気になれば(例えば外国人労働者の給与をあげる等)、移民はすぐ増えると思う。だから、ぼくらの職を守るためにも、増えすぎないための方策を、まず、時間をかけて検討すべき[/chat]
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いや、日本は移民を警戒すべき!という心配については、移民を多く受けいれてきた国(例としてアメリカ、ドイツ)と比較すると実態に即していない。
東京オリンピックを控えた東京の建設労働者不足、ネットやAIをめぐるIT技術者不足などの状況は、極めて切迫している。「日本が本気を出せば、移民問題はすぐ解決する」というのが本当ならば、今頃、多数の外国人労働者が日本におしかけてきているはずだ。
だが、実態としては、世界の建設労働者は、中東、特にドバイ等に行きたがる。東南アジアのシステムエンジニアは、日本ではなく、シンガポールを就職の第一希望としている。
その理由は、2つ。日本以外の候補国の方が、収入が高いこと。そして、日本が言語、受けいれ体制等で遅れており、暮らしにくいことである。
後者の受入れ体制は、現在、進めている努力で解決していくと言いたいところであるが、残念なから出遅れ感が強い。なぜならば、中国や韓国、台湾、香港といった日本の周辺国も、高齢化による労働力不足に苦しんでおり、日本以上に手厚い外国人労働力受入れ策と、日本を上回る高処遇を提示しているんだ。
また、第一の経済的処遇については、日本が置かれていた「失われた20年」の影響が大きい。端的にいうと、日本の給与が低いのである。なぜなら、過去20年間、物価上昇がなかったため、毎年5%近い水準で上昇していたアジア周辺国の給与が、職種にもよるが、それほど、日本に比較して見劣りしないという状況になっている。これは、特にマネージャ階層、専門技術職において顕著なんだ。
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そして、周辺国の努力は、今後、日本がアジアの外国人労働者を、大量に引きつけて独り占めするというよりも、逆に日本の熟練労働者が、日本から連れて行かれる方向に向かいつつある。
この代表国が隣国、中国である。既に寿司職人、歯科医、美容整形外科、植木・造園職人、パン職人など、日本で高度な技術とサービス提供を行える職人の方々に、中国で開業しないか?週末は日本に帰ってもOK、といったオファーが出されている。
購買力の差がなくなり(北京、上海だとむしろ、日本より高いように見える)、市場規模が大きいため、急速に日本の高スキル労働者を引き込みつつある。
日本社会は、外国人労働者の受入れ努力と同時に、日本人労働者の引き止めにも気をつかわなければならない状態になりつつある。
今となっては、もはや手遅れであるが、日本がドイツ(トルコ系移民が多い)、アメリカ(メキシコ系移民が多い)に、しっかり学べていたとすると、恐らく日本には中国系移民が多数、存在していたと思われる。
隣国という地の利、人種的な相違が欧米等に比較して相対的に小さいこと、20世紀の段階ならば魅力的な経済処遇が可能であったこと、など説得力のある理由を複数、あげることができる。
だが、中国は、20年を超える経済成長を続けてきた。その間、失われた20年で給与が上がらなかった日本は、既に中国の人的資源を大量に引きつける力を失っている。
むしろ、中国の都市部を筆頭に、長年の一人っ子政策を本格的に見直し、外国人労働者を受け入れる方向に転換している中国は、日本の移民供給国どころか、日本の労働者を吸い上げる方向に転じている。[/box04]