この職業はAI時代に大丈夫?(2) 会計士
[chat face=”frogface.jpg” name=”カワダさん” align=”left” border=”blue” bg=”green” style=”maru”]
会計士は、企業の財務・会計分野における監査、アドバイザリー、代行処理などを幅広く取り扱う職種だ。素人の見た目には数値を取り扱う業務が主体と見えるので、AIに負けそうに見えるのも、ある意味止むを得ない。コンピュータが企業に導入され始めた最初の段階から、ソフトウェア、さらにはネットワーク化、クラウドの導入など、処理効率をあげる仕組みが次々と導入されており、昭和のイメージとも言える伝票の仕訳や帳簿付け等は、急速にシステム化されてきた。
その意味で、会計士の歴史は、コンピュータ化とのせめぎ合い、ツールとしての活用の歴史である。これに新たにAIが加わった形だ。
その提供サービスは様々であり、会計業務の支援・代行などすでにコンピュータ化が進展しており、税理士自身がAIにやってほしい(笑)と言われる確認状の発送作業や有価証券報告書の開示チェックなど、多様な業務を含む監査関連業務、M&A対応等に代表されるアドバイザリーサービスも、いまや会計士の主力業務と言える。
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[chat face=”azatooth.jpg” name=”アザト君” align=”right” border=”gray” bg=”none” style=”maru”]じゃあ、AIに置き換えられるもの時間の問題。オワコンなの?[/chat]
[chat face=”frogface.jpg” name=”カワダさん” align=”left” border=”blue” bg=”green” style=”maru”]実はそうでもない。
すでにコンピュータ化が急速に進展している会計士業務であるが、まず、日本の場合、AI以前のコンピュータ化において、情報システム化の進んだ大手企業顧客と、個人商店のような中小法人は、全く異なる顧客、異なる業務と言ってよいサービスの相違がある。
大手企業顧客は、データの入力や仕訳などの基本プロセスを会計士に依頼することは考えられず、監査やアドバイザリー業務主体と言える。月次決算の集計や財務諸表の作成は、減損などの見積項目の設定を除けば自動化済みといってよい状況にある。
ただし、その前提となる監査方針の設定、どの項目、勘定を重点的に評価していくか、リスクを低くするための手法の検討など、経営環境や経営者の意志等も参考にしつつ、リスク評価を行っていくことは、現時点では人間以外考えられない。また、減損や引当金計上などに関する判断についても、いわゆる「会計上の見積り」が必要であり、これらの全体観はAIでは対応できそうにない。AIをツールとして使う人間の仕事だ。
リスク評価の方針や、重点項目(減損)が定まれば、後はシステム、データを介した処理の問題となる。
その意味で、AIは定常的な経理業務と不正発見のための監査には重要な役割を果たすものの、経営者が求めるアドバイスや各種見積もりについては支援できても、直接的な職業代替は考えにくい。[/chat]
[chat face=”azatooth.jpg” name=”アザト君” align=”right” border=”gray” bg=”none” style=”maru”]なんか、小難しい仕事が残るイメージだけど、それで喰っていけるの?[/chat]
[chat face=”frogface.jpg” name=”カワダさん” align=”left” border=”blue” bg=”green” style=”maru”]
処理、集計等の計算はAI以前のコンピュータ化で対応され、AIは仕訳や監査(異常値、不正行為発見等)など、単なる計算の正誤の枠の外を対象としている。その適用範囲は拡大の方向にある。ただし、監査方針や見積評価などは、AIによる完全自動化は困難であり、会計士による監査方針設定や見積評価のガイド、外枠を設定することで、後工程を自動化する問いった方向に向かうと言われている。
会計士の視点でいうと、企業の財務・経理部門のアウトソーシング業務等は自動化が更に進展することで、従来業務に関するタスク面での増加は期待できない。また、監査についても、元データの異常値発見等についてはAIが対応していく可能性は高い。
【会計士はAIと、どう向き合っていくのか?】
2014年頃から、クラウド会計サービスの急速な普及が進み、中堅・中小企業においても、基本的な入力等の経理業務はシステム化されており、かつてのような作業代替は、システムとAIに代替されていく。
会計士の役割は、大別するとリード役/コンダクター(いわゆる指揮者)と、ツールとしてのAI、AIで対応しきれない例外対応人員(恐らく若手)といった体制へと変わっていく。乱暴な言い方だけど、そんなに沢山の人は要らない方向と思われる[/chat]
次回は、ちょっと地味に見えるが、実はタフな士業である司法書士だ。